2013 イスラエル研修ツアー
イスラエル研修ツアーのご報告
日本アレクサンダーテクニーク研究会・代表
谷村英司
"シャローム!"
実は4月4日(木)~14日(日)までの10日間イスラエルへAT研修ツアーに行ってまいりました。今回はそのご報告をしたいと思います。イスラエルと言えばご存じ世界のAT界の重鎮リカ・コーエンさんとシュムエル・ネルケンさんが住んでおられる国です。私個人としては2度目の訪問になるわけですが、去年の11月ごろにイスラエルのテルアビブとエルサレムにロケット弾が撃ち込まれたというニュースでこのツアーを延期しようかとも思っていました。しかしその後何事もなく平穏状態が続いているということで思い切って行くことに決めました。
行ってみるとなんとなんと平和な景色が目の当たりにありました。真っ青な空と地中海の青が目にまぶしく、澄んだ空気、気持ちのいいそよ風が心地よく、何年もの間絶え間なく紛争が続いている国とは到底思えませんでした。
自分自身の問題と出会いなさい
翌日の早朝から早速ワークです。イスラエルにいる9日間は朝8時半から午後4時までの7時間のワーク漬けです。初日が終わったところでリカさんがわれわれに言った言葉がとれも印象的だったので話してみたいと思います。
それは「皆さんはエイジさんのもとでトレーニングを続けられていることはよくわかります。なぜなら皆さんが上達されていることをハッキリと感じたからです。しかし、(リカさんの話しはこのようにホメた後はこの“しかし”が必ず付きます。笑)これでもう十分だと思って機械的なトレーニングにならないように気をつけてください。いつも新たな気持ちで今ここに自分自身と共にいてより深いところにある自分自身の問題と出会って、そのことを探求することを心掛けてください。」
という言葉でした。私自身振り返ってこの指摘について考えてみると、生徒を指導するという立場にいるために知らず知らずのうちに生徒の問題ばかりにかかわって、自分自身の問題と向き合うことをなおざりになっているかもしれないと思いました。生徒の問題をあげつらうことは簡単なことであり、その問題を解決する方法を語ることも簡単なことなのです。何故ならその問題解決に向かって実際に行動しないでもいいからです。難しいのはその問題に向かって実際に行動することなのだということに気づきました。
難しいことにチャレンジしなさい
それと毎度のことなのですが、リカさんが生徒との間で難しいと思われる状態に出くわしたときにその難しいという状態に対してそれを避けようとしないでその状態に対して立ち向かっているということです。私ならそれは難しいからちょっと後にして何かやりやすいことをしようとしているなあと感じることがありました。
自分自身が正しいと思うこと、あるいは本当のことだと思うことを実践しようとすること、あるいは本当のことを真っ当に探求しようとすることは時としてそれは難しい道なのではないでしょうか? そうだとすれば反対に容易な道を選ぶということは時として本当のことを探求しようとする道を避けることになるのではないかと思ったのです。勿論私にはそんなつもりはなくても容易な方を選んだとたんに知らず知らずのうちに本道から外れているということがよくあるような気がするのです。
このような視点で世の中を見てみると「聞いているだけで英語が話せるようになる!」とか「これを食べるだけでダイエットできると!」とかとにかく「簡単に!」というキャッチフレーズが溢れているようです。何故ならその方がその商品が売れるからです。何故売れるのか? 多くの人が簡単な道、容易な道を望んでいるからです。そんなわけで世の中は容易な方法を探して売る人とそれを喜んで買う人で溢れかえっているわけです。
そんなわけでますます世の中の本物が少なくなってきているのではないでしょうか? 本物が少なくなってきているということは、そのことを実践しようとする人が少なくなってきているからにほかなりません。なぜならそれは難しい道だからです。リカさんやシュムエルさんはその数少ない本当のことを探求し続けている人であることは間違いないです。でもそれは苦しいことばかりではありません。われわれが本当の喜びを見出せる道でもあるからです。きっと神様はそのご褒美として生きる喜びを与えてくれるはずです。その質の高い喜びによってますます内面にエネルギーが湧いてきて難しい問題に取り組むことが出来るのだと思います。私自身もこの道を選択できる人間でありたいと改めて思った旅でした。
リカさんへの感想集
北村 洋子
沢山の素晴らしいレッスンをありがとうございました。
リカさんのアレクサンダー・テクニークの原理を探求する姿にいつも心打たれます。そしてリカさんとの不思議なご縁を感じます。
藤田 俊紀
今回の旅での収穫は沢山ありましたが、最も印象に残っていることは、自分の自我意識の強さがワークの邪魔をしていることに気付けたことでした。「自分自身の中にある問題」に気付くことが出来ました。
私は今までどうしても自分の力を抜くことが出来ませんでした。順子先生からも何度も指摘されていました。でも出来なかったのです。抜いたつもりになっていても気付くことができなければ力は抜くことが出来ないからです。
私の悪い癖は自分の自我意識の強さが理解の邪魔をして、実際には分かってもいないのに、分かったつもりになると云うことです。これは例えば顔に掛けたメガネは外せても、心に掛けたメガネは、掛けていることに気付けないので、外す事が出来ないのに似ています。
そのことにリカさんやシムエルさんにしていただいたワークを通して気付き、更に仲間の人達とのワークを通して気付くことが出来ました。
シムエルさんが教えて下さった“ノン・ドゥイング”と、リカさんの力強さとをどうやって私の中で融合させることが出来るのかもこれからの課題です。
リカさんは内なる道標に沿って一歩一歩歩いている方なのだと思います。私もリカさんの後ろを歩いて行きたいと改めて思いました。
今回のワークは自分の傲慢さに気付く事の出来た旅でした。
前田 ひとみ
トミーです。(ひとみを略してリカさんが付けた愛称)今回も、リカ先生から、ワークを通して沢山のプレゼントを頂きました。そしてリカ先生と谷村先生11人のグループで過ごしたテルアビブでの貴重な時間を思い出して感動と感謝の気持ちでいっぱいです。
毎回、出だしは私の習慣と、エンドゲイナーな態度の気付きや、テクニークの理解不足思い知らされます。
リカ先生が何度も繰返して教えてくださった、基本に戻ることのたいせつさ、①習慣の根強さに気づくこと、②感覚の不確かさ③しないこと、抑制すること④ダイレクションを送る⑤プライマリーコントロールを目指して、床からの半重力を使うこと。それらを向上させるために何をするか? 何故それをするのか? 如何にするのか? をハッキリ考えて状況に合わせて行動に繋げていくということ。
リカ先生は、いつも私のことを(皆の事も)よく理解されていて、ワークの度に小さな修正と気付きの時間とヒント、そしてチャレンジすべき宿題を与えてくださっていて、そのことは、まるでジグソーパズルのパーツみたいで最初はわからないことが多いけど、続けていくと集まってひとつの絵が完成するそんな感じですが、それもまた次の大きなジグソーパズルのパーツだったということに気付くという繰り返しで、その過程が楽しく前向きに考えられるのは、リカ先生だからこそだと思います。
リカ先生は「旅をしているようなもの」とおっしゃいましたが、ずいぶんと前を歩いているリカ先生は、時々遅れてきている私達にわかるような道標を残してくださり、また後戻りをして迷うことの無いようにお教え、導いてくださっています、今回改めてそう感じました。
鹿島 啓子
シュロモさんリカさんご夫婦に空港でお出迎えして頂き本当にありがとうございました。とても嬉しかったです。 今回のレッスンでリカさんに指摘していただいた事がリアルに私自身その瞬間をとらえられ気づく事が出来ました。
次回お会いする迄に、私の課題に向き合い励むぞという強い心になりました。弱い私がいつも表面に出てきます。其のときはリカさんの真剣な顔と声、またはお茶目な顔と声を思い出し励みます。 私自身を今よりもスキルアップするために奈良に行き英司先生、順子先生から学び続けす。
一年後リカさんにお会いする事を目標にこの一年間励みますね。 英語もね!
最後になりましたが‥イスラエルは快眠・快食・快便三拍子そろった素晴らしい国です。ますます好きになりました。沢山の若者沢山の子供に驚きました。とても若々しいエネルギーを感じました。 シュロモさんリカさんお元気で!
喜多 千絵
私は今回のイスラエル研修で、リカさんの言葉や態度、タッチなどから多くのことを学びました。それはアレクサンダー・テクニークの技術だけではなくもっと基本的で大切な生き方のようなものです。そしてその重要性を実感すればするほど、私自身の未熟さや邪魔が見えてきて呆然とすることもありました。リカさんのおっしゃる通りもっと練習をし、経験をしなければならないと思いました。
私はすぐに考え込んでしまい、自分以外のことを拒んでしまうことがよくあります。停滞し、沈んでゆく自分がわかり、イライラしたり、泣きたくなったりします。そんな弱い自分に対抗できるときは、自分が今、この場でシンプルになり、何を、なぜ、どのようにするのかが明確になっている時だと気づきました。
また、仲間と共にワークをしたり、交流したり、お互いを認め合ったっているときはとても幸せで楽しくって自分も周りも大好きになります。
自分を邪魔しているものが何なのか連日のトレーニングの中で嫌というほど感じました。時間がかかることだと認めて、急がず、諦めず学び続けようと思います。リカさんに手を添えていただいてのハンズオンやプライベートレッスンでの身体の内側の変化や気づきを大切にし、今後の課題にしてゆきたいです。
井上 由美子
イスラエルに来てあっという間の9日間でした。とても楽しかったです。リカさんのワークはもちろん、仲間と楽しい時を一緒に過ごすことが出来ました。皆さん本当にこのワークが好きでリカさんを尊敬し、親しみを感じておられるのがわかりました。
私はリカさんの柔らかく且つ力強いタッチで確かな方向性を示してくれる手が好きです。その手によって私の背中が後ろに残ること、首のロックを外すこと、太ももに力を入れないで膝が前に行くことなど、たくさんのことを教えていただきました。
丹野 久美子
今回イスラエルに訪問し、リカさんのワークを受けることができてとても有意義でした。アレクサンダー・テクニークを続けてゆく中で私の課題がたくさん見つかったからです。
首のロックを外して、頭を前に上に、4背中が長く広く足は大地に対抗する。という基本にいつも忠実に戻ることの大切さを改めて感じました。そしてそれは次々を起こってくることだということ。私はついつい一つのことにとらわれ留まってしまいます。次々と起こってくることに意識を動的に向けてゆきたいと思いました。
リカさんにワークをしていただいた経験を大切に谷村先生、中白先生の下で勉強を続けてゆきます。そしてリカさんのワークも受け続けたいと強く思いました。
井上 和代
イスラエルでは9日間お世話になりました。イスラエルに行くことができてうれしかったです。そしてリカさんのワークが受けられて幸せでした。1日1日が充実した日々を過ごすことが出来ました。
今回のワークでリカさんがアレクサンダー・テクニークは芸術だと言われました。だからこそいろんなアプローチの先生がいる。そのいろんな先生から学びなさい。そしていろんな指導法を理解し、たくさんの選択肢を持ち、その中からあなたの目指す道を見つけなさいと言われました。そしてそれは教師となった私にとってどんな生徒が来ても受け入れて、自分自身の教えからでやれるということだと気づきました。
トレーニングコースを卒業して1年になりますが、背中が短く狭くなった、ダウンした状態で生徒に指導するのは申し訳ないし、恥ずかしいことです。常に背中を意識し、アップを目指す教師でありたいと思います。
でもまだまだ理解でいないところはたくさんあります。指、手首、肘の使い方もそのひとつです。それらをついつい固めてしまう私がいます。それを止めて流れる腕を使ってダイレクションで会話ができる楽しいワークができるようになりたいです。
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