AIT総会レポート

船坂 孝江(トレーニー)


このたび、中白順子先生のお供としてトロントでのATI(Alexander Technique International)年次総会・AGM(10月27~31日)に参加してきた、そのご報告をします。

そもそもATIとは、ですが、アレクサンダー・テクニーク教師の認定をしている世界的な組織で、認定のほか、各国の教師たちが継続的に研鑽できるよう、その技術の応用・研究・討論を重ねています。日本でもATI認定教師となるには所定の時間のトレーニングを終了したあと、スポンサー3名から承認を得る必要があります。

中白先生には、そのATI認定スポンサーになるために今回の年次会議に参加するよう要請がきていました。スポンサーになるためには、世界中のATI会員の投票により60%以上の票を獲得しなければならないのだそうです。

さて、9か国61名の男女が参加した今回の会議のテーマは「コミュニティをつなげる」でした。

私自身、会議に参加していても、その進行や結果については他人事のように感じたという経験がよくありますが、ここでは皆が「自分の話は聞いてもらえた。全体の総意としての議決内容を応援しよう」という気分になれるのです。

どの世界にもたくさんの流派があるように、アレクサンダー・テクニークの世界も同じ原理に基づいて学んでいるものの、多くの先生方のやり方に違いがあります。そういった違いを認めつつ、お互いの共通点を探ろうとしているところに好感が持てました。

ところで、中白順子先生の選挙結果はどうだったでしょうか? 最終日の会議の中で、あまり細かい説明もなく、次期役員の発表とともに「新たにスポンサーとしてジュンコ・ナカシロが承認されました」と発表されました。あれ、これだけ?と思うほどあっけないものでしたが、ホッと胸をなでおろしました(・。・)

また、このスポンサーの件とは別に、中白先生が福島在住の仲間を代表して、原発事故のあとATIから励ましのメッセージをいただいたことのお礼を伝えたら、涙を流して感動してくれた人もいました。「ここ数年日本から来る人たちが少しずつ増えてきて嬉しい」とも言われました。わざわざ日本から出かけて行った甲斐もあったということで、まずはめでたし、めでたしの体験でした。

日本アレクサンダー・テクニーク研究会