2010 イスラエル研修ツアー①

3月19日(金)

午前10時過ぎ。総勢19名が関西国際空港のエールフランス・カウンターに各地から集合しました。かなりの大所帯のツアーになってしまい、この先どんな珍道中になるやらと思っていたら、さっそくスーツケースが開かないやら搭乗券が無いやらでちょっとした騒ぎがありました。団長としてはみんな無事に楽しい旅と研修になることを神様に祈るばかりです。

言い忘れましたがこの文章はミニパソコンを持ち込んで乗り込んだ飛行機で書いています。そんなわけで今回の原稿は旅日記風に、その都度あった出来事や思ったことを写真と文章で書き綴ってみたいと思っています。

それでは今は機内で中白順子さんが偶然私の席の隣になったのでインタビューしてみます。

T:谷村英司 N:中白順子 M:松嶌 徹


T:順子さんは、今回の旅行の中で何を期待されていますか?今思いつくことで結構ですのでお答えください。

N:リカさんはもちろんのこと、シムエルさんにはなかなかお会いすることができないので本当に楽しみにしています。それが一番期待していることです。そして観光ではリカさんが住んでおられるハイファのバハーイ庭園やカルメル山が美しいと彼女から聞いているので楽しみにしています。

といっているところに松島会長が機内サービスのカップ麺を食べながら私のところにやってきたので彼にも同じ質問をしてみました。

M:なかなかイケますよ、JALが開発したっていうこのヌードル…。そのバハーイ庭園って、すべての宗教はひとつだという教えで世界的に広がっている教団の本部なんだって。イスラエルって懐が深いですよね。

とまあ、子供の頃から念願だったというエルサレムへの旅行でちょっとハイになっている松嶌会長のお答え。このあとパリまで12時間。パリで1時間余りのトランジット、さらにイスラエルまで5時間と計18時間の長い旅になります。

・・・そして長い旅も無事に終え、近代的なイスラエルのテルアビブ空港に到着。リカさんとご主人の手厚い出迎えを受けてホテルに入りました。今は真夜中の1時です。やっと仰向けに眠れることのありがたさを感じています。ゆっくり旅の疲れをとりたいと思います。


3月20日(土)

地中海のまぶしい朝陽に誘われて、早起きした人たちは海岸を散歩。

朝食後、まずテルアビブのリカさんのスタジオを訪れました。リカさんはテルアビブとハイファに2つのスタジオを持っておられるのだそうです。テルアビブのスタジオは個人レッスン専用で閑静な住宅街の中にありました。こじんまりとした部屋ですが、趣味のいいインテリアが飾られていて素敵なところでした。残念ながら時間の関係でここではレッスンはなしです。そのあとテルアビブの旧市街を観光したり、地中海の海岸にある素敵なレストランで昼食をしたり、ユダヤ教の祝日である土曜日には国じゅうで老若男女が歌って踊っているというパーティーに参加し、みんな大いに楽しみました。

午後、海岸をバスで北上してリカさんのスクールがあるハイファに向かいました。ハイファは予想以上に美しい港町で、順子さんが言っていたカルメル山の麓に住宅が建ち並んでいます。ホテルも築100年以上も経つ、小さいけれどもとてもアンティークなセンスのいい建物で泊まるだけでも満足のいくものでした。


3月21日(日)

今日は、ハイファの北東にある十字軍の時代から攻防が繰り返されてきたアッコーの港町やイエス・キリストが布教を始められたガラリア湖、ヨルダン国境沿いをおとずれて戦火にさらされてきたイスラエルの歴史を勉強しました。そしてガラリア湖畔にある共同農場キブツのレストランで魚料理を満喫しました。

…こう書いていると観光ばかりしているように思われてしまうかもしれませんが、当初はそんなつもりは全く無くて、ワークを集中的にする計画でした。でもリカさんがせっかく長い旅をして来るのだからイスラエルについてもっと知ってほしいし、そこから人間というものがどういうものかを学んでほしいとおっしゃいました。確かに、それはアレクサンダー・テクニークの上達ばかりを考えていた私には欠けていた視点でした。われわれ人間がより良い生き方を見出す手段としてこのテクニークがあるのであって、それを無視したアレクサンダー・テクニークの上達は無意味かもしれません。要するに、われわれは人生においてその都度したいことがあって、それを実行することにおいてアレクサンダー・テクニークが役に立つと言うことであって、アレクサンダー・テクニーク自体が人生の目的になるわけではない、ということでしょう。そういうわけでリカさんのプランに乗っているのです。

日本アレクサンダー・テクニーク研究会